大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和36(あ)1662 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人本村善太郎、同安平政吉の上告趣意第一点について。

所論は判例違反をいうが、判示にかかる本件事案は会社印及び代表者印を預り会

社業務の処理上必要な場合にのみ代表者名義の手形小切手を含む会社名義の文書を

発行する権限を与えられている経理担当の取締役が右必要の限度を超えて振出した

手形は偽造手形というを妨げないというのであるから(この場合会社の民事上の責

任は別個の見地から検討さるべきである。)、所論判例と本件事案とは内容を異に

する。従つて、所論はその前提を欠き採るを得ない。(なお、原判決引用の大正一

二年三月一三日大審院判決参照)

同第二点は、事実誤認の主張であり、同第三点は、量刑不当の主張であり、いず

れも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

弁護人本村善太郎の上告理由第一点は前段同弁護人同安平政吉の上告趣意第一点

と同趣意に帰するから、これこ対する判断として前段のそれをここに引用する。

同第二点は、事実誤認の主張であり、同第三点は原判示に副わない単なる法令違

反の主張であり(被告人の保管にかかる前示銀行に対する預金を引出し業務上保管

中擅にその全部又は一部を着服して横領しこれを銀行における自己の預金口座に振

替えた場合は横領罪の成立を妨げないものと解すべきである)、同第四点は、量刑

不当の主張であり、いずれも刑訴四〇五条の上告理由に当らない。

なお記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとお

り決定する。

昭和三七年三月八日

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最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 下 飯 坂 潤 夫

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

裁判官 高 木 常 七

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